現場前をよく通るおばあさんが、私に話かけて来た。
「あの花、少しもらってもいい?」
あの花というのは、隣のマンションの花壇に咲いている花のことだ。
「それは、隣の管理人さんに聞いてください」
と言った時、ちょうど管理人Xがマンションから出て来た。
「ああ、管理人さん、このおばあさんがあの花をもらいたいそうです」
「どれ?」
「あのぶどうみたいに咲いている花」
「いいよ。見なかったことにするから」
管理人と言っても、雇われだから花を上げたりする権限はない。
それでそういう言い方をしたのだろう。
が、おばあさんは大層喜んで花を摘んでいた。
「この花何て言う花かしら」
おばあさんの疑問に、管理人Xも私も答えることができなかった。
「今度調べておきます」と私が言うと、管理人Xは「そうだな。調べといて」と言った。
あんたは調べないんかい。。。(-“-)
植物をカメラで撮影すると、花の名前を瞬時に教えてくれるアプリがあることは知っていた。
App Storeで検索したら、すぐに見つかったけれど、無料トライアルは1週間で、その後は年間で4200円お金がかかるらしい。
無料トライアルが終わる前にアプリを削除すればタダかな?と思ったが、何だか気が引けるのでやめた。
Googleで「春の花 樹木 壺の形」と検索したら、そんなに時間もかからず見つかった。
アセビ(馬酔木)という花だ。
名前は聞いたことがあるけど、実物を見たことがなかった。
私が調べた花の情報。。。
アセビ(馬酔木)は、ツツジ科アセビ属に属する常緑低木。
別名アシビ。
本州・四国・九州に自生し、観賞用に植栽もされる。
有毒植物。
学名:Pieris japonica subsp.japonica
学名の属名 Pieris (ピエリス)は、ギリシャ神話に登場する女神の名前。
japonica (ジャポニカ)は、「日本の」の意味。
アセビが不自然なほど多い地域は、草食獣による食害が多い。
例えば、奈良公園や春日山では、ニホンジカが他の木を食べ、この木を食べないため、アセビが相対的に多く見られる。
馬が葉を食べ毒に当たって、酔っぱらったようになるので「馬酔木」と命名された。
何故か馬は食べるが、鹿は食べない。
馬鹿って。。。(-“-)
日本人が古くから親しんできた木で、『万葉集』にはアセビを詠んだ歌が10首ある。
池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな 大伴家持(おおとものやかもち)
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