5年くらい前に、ウレタン火災を起こして5人が亡くなったゼネコンの現場だった。
先日、損害賠償などの損失額が累計約60億円で確定したというニュースを見た。
竣工間際の事故だったので、相当な損害だろうと思っていたが、60億円とは。。。
予想した通り、新規入場者教育は30分ほど時間をかけて行った。
それぞれの作業内容の注意事項を録音した音声を流していたが、誰も聞いていない。
私の他にもう一人いたガードマンは、警備とは関係ない作業手順を説明されてもちんぷんかんぷんだ。
ようやく作業内容の説明が終わったと思ったら、監督が一枚の紙を新規入場者全員に配った。
何と、小テストをやるらしい。
小テストの問題を見て、驚いた。
全部火災関係の問題だ。
やっぱ懲りてるんだろうね。
問題は全部で5問……〇か×かで答えなさい。
問1)溶接溶断の火花は、吹付硬質ウレタンフォームに容易に着火するが、ディスクグラインダーの火花は着火しにくいので、ウレタンフォームの傍で使っても大丈夫だ。
何だ、これ。
×に決まってる。
何気に他の作業員の解答を見ると、〇をつけていた。
アホか。
ガードマンだって知ってるのに。
「はい、やめ」と言って監督が小テストの紙を回収した。
「じゃあ、ご安全に」と新規入場者教育は終了した。
え?……小テストの答え合わせは?
これじゃ、小テストをやっても意味がない。
要するに、私たちは火災事故を二度と起こさないために、小テストをやって下請け事業者の作業員をちゃんと教育しています、というポーズだ。
労基署が立ち入り検査を行った時に、証拠として提出するための小テスト。
答え合わせをしない小テストにまったく意味はない。
「事故を起こさないためにどうするか」ではなく、「事故を起こした時にどう言い逃れができるか」を考えている。
これが事故で学んだ教訓らしい。。。(‘〇’;)
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