手術を終えて、家に帰って、突然重大なことに気付いてしまった。
手術した患部にデルマエイドという創傷用パッドを貼るのだが、看護師が言ったことを思い出した。
「毎日必ず抗生物質の塗り薬を塗って、パッドを貼り変えてください」
看護師が当たり前のように言った。
「毎日ですか?」
「はい、抜糸の2週間後まで毎日です」
私、一人暮らしなんですが?
一人で背中のパッドをどうやって貼り返るの?
どうしよう。。。
そんなこと頼める友人もいないし、親戚も知り合いもいない。
あ、そうだ。
〇〇ヘル呼んで貼ってもらおうか?
いや、毎日は無理だろ。。。
そこでネットを調べてみた。
キーワードは「背中 一人でガーゼ交換」だ。
やっぱ困ってる人はけっこういるんだねぇ。
Amazonにそういうグッズがたくさんあった。
その中から私のイメージに合った2つを選んで注文した。
私のイメージでは、まず病院でくれた創傷用パッドに抗生物質の塗り薬を塗る。
それを孫の手みたいなものを使って患部にペタッと貼る。
で、その状態で胸用のサポーターをかぶせて固定。
自分でサージカルテープを貼るのはさすがに無理っぽいので。
で、実際にやろうと思った……が、できなかった。
まず、看護士が傷口に何重にも貼ったガーゼやテープが一人では剥がせない。
だって人差し指がちょこっとかかるくらいなんだもん。
私が思いっきり体の硬い人間だってことを看護師は知らないのか?
知らないに決まってる。
さて、どうするか。。。
仕方ない放っておこう。
自分自身の自然治癒力を信じたい。
で4日後。
さすがに毎日交換しろと言われたのに、抜糸までの2週間付けっぱなしじゃ怒られるだろ。
意を決して、とにかく看護師が貼ったガーゼとかを剥がすことにした。
最初に人差し指でちょこちょこ捲って、それを引っ張る。
4日も経つと粘着力が落ちている。
ボロと半分くらいが剥がれた。
ここからが大変だ。
何か棒とかないか?
すぐ近くに誘導灯があったので、それでゴシゴシ背中を掻くみたいにしてこすり取った。
ボタッと塊りが落ちて「やった!」と思ったら、まだ一番下のガーゼが一枚残っていた。こいつは厄介だ。
指とかもまったく届かない。
しかも血液とかで癒着してるっぽい。
どうしよう。
何かつかめるもの。。。
あ、100円ショップで買ったラジオペンチがあったはずだ。
押し入れの奥の道具箱からラジオペンチを取り出し、そいつで背中の肉を挟まないよう気を付けてガーゼを取った。
ついに手術跡が見えた。
黒く変色した血液とかをシャワーで洗い流すと、ちょっとだけ血が滲んでいたが、意外と綺麗だ。
これなら放っておいても治りそうだ。
一応抗生物質の塗り薬を創傷用パッドに塗って、それを一人でペッタンコを使って患部にペタリ。
胸部サポーターは私の想像とは全然違った位置だったので、そのまま下着を着てあまり動かないようにして寝ること。
どうせ寝たらズレるだろうけど、それでもこのくらいの傷だったら自然に治るのでは?
【私が背中のガーゼ貼り替えに使った道具】(×は不使用)
・一人でペッタンコ
・胸部サポーター×
・二枚の鏡(合わせ鏡)
・ラジオペンチ
・デルマエイド(創傷用パッド)
・サージカルテープ×
・抗生物質の塗り薬(ゲンタシン軟膏)
・誘導灯
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