工事現場などの誘導で一番大切なことは、
「ぶつかる前に止めること」
ただそれだけだ。
一旦止めて、また前に出てやり直せばいい。
対人でも対物でも、この大原則は同じだ。
問題なのは、ガードマンの中に「止められないガードマン」がいること。
杭打ち工事の時だった。
大型コンテナ車をバックで現場に入れる。
いつもの流れだ。
その日は、増員でもう一人のガードマン、Tさんがいた。
70過ぎの人だったので、バック誘導は自分がして、Tさんにはただ一ヶ所だけを見てもらうことにした。
その一ヶ所とは、大型コンテナ車をバックで現場に入れる際、90度ハンドルを切らなければいけない瞬間がある。
その時にコンテナ車のフロントが大きく外に振れる。
すると、そこには隣のマンションのエントランス部分の庇が突き出ている。
大型コンテナ車の運転席の高さは2.4m以上。
おそらくミラーが庇に当たりそうになると予想した私は、エントランスの庇の下にTさんを立たせ、「ミラーが当たりそうになったら、運転手に『ストップ』と言って止めてください」と指示した。
「必ず、ぶつかる前に止めてくださいね」
私は、繰り返し念を押した。
バック誘導で後ろの障害物を避けていると、私はふと思った。
あれ?
こんなにハンドルを切ったら、エントランスの庇に当たるんじゃないの?
慌ててコンテナ車の背後から前の方を覗き込むと、案の定、ミラーを庇に擦っている。
「ストップ! ストップ!」
私が叫んだ時にはすでに遅かった。
そのままTさんのところへ行き、「何で止めないんですか? ぶつかる前に止めてって言いましたよね」と口調を荒げて言った。
するとTさんは「運転手がミラーを見てたから、わかってると思って」と言った。
「運転手が見てたのは、ミラー越しに見える後ろの状況です。後ろを気にしている時は、ミラー自体がぶつかるか、どうかなんて見ていません。ましてや初めての現場なら、庇が突き出てるかどうかなんてわからないでしょ。だからTさんに見てくれって言ったんです」
怒りが収まらず、少し怒鳴ってしまった。
自己嫌悪。。。
自分よりも10歳以上も年上の人に。。。(-“-)
幸い庇に傷らしき傷はついていなかった。
一応所長には報告したが、御咎めはなかった。
「止められないガードマン」というのは、必ず何処の警備会社にもいる。
私もこれまで何人か見たことがある。
彼らは、普通のガードマンの振りをして、何食わぬ顔で工事現場に潜んでいる。
あなたと今日コンビを組んでいる、あなたの横にいるガードマンが、ひょっとしたら「止められないガードマン」かも知れません。
そうでないことを祈って。。。ヽ( ゜ 3゜)ノ
コメント
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どなたですか?
まだまだ元気そうで何よりです!
blog拝見させてもらってます!
なんだか癖になります笑
ブログ上では元気そうに見えても、実際は足腰ガタガタです。
以前なら全部ひとりで見れたんですが、もう体が動いてくれません。
xマンさんも、止められないガードマンには気を付けてください。
何食わぬ顔して、メンバーに紛れ込んでいますから。(‘〇’;)