
ズレてると言えば、この現場、元々は常駐ガードマンを置いていなかった。
搬入車両がない時にガードマンを置かないというのはよく聞く。
だが、この現場は搬入車両があるのにガードマンを置いていなかった。
その結果、ある日事件が起こった。
搬入車両がゲート内に頭から入って、搬入が終わったらバックで出た。
その時にゲート脇に駐車していたポルシェにぶつけたらしい。
それ以来、ガードマンをつけるようになったという話だ。
この現場、いろいろと間違えている。
まず、ガードマンを置かないなら、車両はすべてバックで入れないといけない。
ゲート内にバックで入れるのと、ゲートからバックで出るのとでは、天と地ほど違う。
バックで出る方が、バックで入るより100倍危険なのだ。
同じだと思っている人は、ガードマンには向かない。
工事現場のゲートの両サイドには、通常高さ3メートルの仮囲い(アドフラットパネル)がある。
法律上は180cm以上(Bバリフェンスの高さ)
バックで出る場合、死角が多く運転手から歩行者も一般車も見えない。
一方、バックで入る場合は、運転手から歩行者も他の車も確認できる。
だからバックで入ることを徹底すれば、ガードマンがいなくてもある程度は何とかなる。
次に、ガードマンの人件費をケチる意味がわからない。
ガードマンを一人置くと、様々なメリットがある。
ゲート脇に車を止めさせないように駐車排除したり、正しい誘導で事故を未然に防ぎ、第三者の安全を確保する……という建前上の理由もある。
だが、本当の理由は事故が起こった時の事故処理の違いだ。
ガードマン自身の労災事故は警備会社の労災保険を使うし、対人対物の賠償事故にしても、警備会社は必ず賠償責任保険に加入しているので、現場とは無関係に処理することができる。
例えば、誘導もしないでただ見ているだけのガードマンがいたとしよう。
それでも事故が起これば、警備会社が事故処理をしなければいけなくなる。
だって、ガードマンが誘導しないで何してたの?って話だから。
ゼネコンにとって、ガードマンを置いといて損はない。
ちなみにガードマンを置かなかった場合は、当然警備会社に事故処理をさせることはできない。
ただ、ゼネコンはガードマンがいなければいないで、運転手の会社に事故処理をさせるケースが今までは多かった。
最近では、優越的地位の濫用とかすぐに問題になるし、ゼネコンも昔みたいな横柄な振る舞いもできなくなって来ている。
運転手側も、ガードマンを置かなかったというゼネコンの落ち度をついて反撃に出るだろうから。
だったら、なおさらガードマンをケチる理由はないはず。。。(-“-)
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